本日行った「高校受験ミニセミナー」第5回の内容の概説です。
さて、兵庫県の公立高校の入試では出願後の「志願変更」というのが「1回」に限り認められています。
ただ、この制度を使う受験生が少なく、実体としてどうなっているのか知らない人は多いです。
今回はここにクローズアップし、近隣の学校に即して、どの様な使い方があるのか、
使っている人がどれぐらいいるかなど、紹介してみたいと思います。
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目次
まずは、志願変更制度の確認です。
◆出願(2/22~2/24の12:00)後、1回のみ変更が可能である。
(変更受付期間:2月28日(火)~3月2日(木)の12:00)
◆志願変更が可能なケース4例
A:複数志願選抜を実施しない学校 →複数志願選抜を実施しない学校
B:複数志願選抜を実施する学校 →複数志願選抜を実施する学校
(第2志望のみをチェンジする)
C:複数志願選抜を実施する学校 →複数志願選抜を実施しない学校
D:複数志願選抜を実施しない学校 →複数志願選抜を実施する学校
◆志願変更ができないケース
複数志願選抜を実施しない学校 → 複数志願選抜を実施しない学校
例)第1希望を稲園→県高
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といった具合です。
志願変更をする、ということになれば、もちろん中学校を通さないとダメです。
こういうことがあると学校の先生は手間になりますので、あまり喜ばれない(?)事は確かです。
可能性があるのであれば、事前に先生に伝えておいた方がよいでしょうね。
志願選抜できるパターンとしては近隣高で例を挙げると、以下のようになります。
(例)
A:尼崎双星の商業学科→市立伊丹の商業科
B:第2希望を宝塚東→第2希望を川西明峰
C:第1希望を伊丹西、第2希望を川西明峰→尼崎工業(1校のみ)
D:尼崎双星の電気情報科→武庫荘総合
疑問なのは、「この制度を使う人って、どれぐらいいるの?」ということです。では見てみましょう。
▼以下が、昨年の第2学区で志願変更があった数です。(「第1希望」として)
※すみません、必要であれば画像はアップしてご覧下さい。
【表から】(第1志望における志願変更)
- ・志願変更者は全出願者7973人中、40人。割合にして「0.5%」。非常に少数であると言える。
・普通科・総合学科においては大きな動きは見られなかった
・公立中上位高出願者は機械科などに進むケースは非常にレアで、「変更先」があまりない(例としては1.50倍にもふくれあがった西宮東は変更ゼロ)
・倍率が高くなった工業科からの離脱も一定数いる?(去年の尼工からは実質、「6」の離脱があった)
▼そして以下が「第2希望」の志願変更数です。
【表から】(第1志望における志願変更)
- ・第2志望の志願変更者は全出願者6538人中、107人。割合にして「1.5%」。これも非常に少数であると言えるが、第1志望よりも変更する割合は高い。
・去年高倍率(1.32)となった県高では「-5」など、第1希望に比べると動きはある。
・伊丹西高も倍率が1.27となり「-3」に繋がった。
・その年の倍率を考え、下げる層が一定数いる。
まとめ&打てる手段
やはり、時間をかけて決めた「第1志望」です。
それほど多く動くわけではありません。比較的動きのある第2希望もそういう傾向は見て取れます。
(1)商業どうしでの変更(市立伊丹高と尼崎双星で)
→これは良くある話です。市立伊丹が多くて,尼崎双星がそうでなければ乗り換え、というパターンです。
(2)商業(工業)から普通科(川西明峰・宝塚東など)への変更 (“とりあえず公立”ならば)
→近年、近隣校での商業や工業の倍率が高くなっています。そこで高倍率・高カットラインになり勝算が薄ければ、比較的平易な公立に回るという手段です。
今年であれば、11月の志望高調査を考えると、川西明峰・宝塚東が移り先として使えそうです。
(3)普通科から倍率の低くなった工業科や商業に変更
→ただ、今年の志望高調査の経過を見ているとそういう学校・学科はなさそうです。(敢えて言うなら尼崎工業の電子科?ぐらいです)
(4)安全策としての第2希望の調整(尼崎西→川西明峰/尼崎西→宝塚東)
→今年の尼崎西は11月の希望数が298人。これは昨年の同時期の「+56人」です。昨年倍率が1.29と比較的高かったことを考えると、今年アマニシを第2希望として機能しにくくなることが予想されます。
もちろん出願状況を見てからですが、地理的に許されるなら、明峰・宝塚東などにしておくのが無難です。