伊丹市の高校受験専門の個別指導 学習教室サクセスの岩田です。
さて、今日は少し長くなりますが、「オープンスクールの見所」について書かせていただきます。
いわゆる「オープンスクール」という高校説明会が、だいたい私立でも公立でも夏ぐらいから始まります。
早いところは6月ぐらいからやっているところもあります。
しっかり聞いておくポイントは何なのかという部分は、お子さん、もしくはご家庭が「高校生活に何を求めるか」によって変わる部分が多いかと思います。基本的には勉強面かと思いますが、部活や就職のことなど、やはり様々です。
ただ昨今のコンプライアンスが重視される社会情勢や、変わりつつある大学受験のことなどを考え、以下の点をしっかりと示されている高校が今後強いのではないか、と思います。私の主観が少し入りますが、ここ数年の流れを加味しつつ、整理していきたいと思います。
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1.いじめ対策への本気度
2.高校としての“大学受験観”が示されているか
3.アクティブラーニングをどの程度入れているか
4.英語の外部検定に力を入れているか
5.キャリア教育
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1.いじめ対策への本気度
以前、現学区内の公立高校でいじめに関する重大な事件があってから、志願者がガクンと減った事例があります。
「いじめは昔からあったんだから、多少は仕方ない」という姿勢ではなく、学校として毅然とした態度で臨んでいるということを示しているか、という点です。
昨今、バラエティー番組でもマイノリティにある人への配慮がかなりされるようになってきており、各種のハラスメントは厳しく糾弾される世の中になってきました。
この風潮が良いとかやり過ぎじゃないかとかの議論は一旦さて置き、社会全体がそういう方向に来ていることは間違いはありません。
その流れを高校の場でも取り込み、校内での人権侵害を許さないという姿勢(=気概)があるかが大切なような気がします。
2.高校としての“大学受験観”が示されているか
2020年のセンター試験廃止を皮切りに、大学受験はどんどん変わっていきます。知識や暗記はもちろん大切ですが、それをどう活用できるか?という能力がどんどん問われてきます。
それに対してどのように力をつけていくのかという方針が示されているか、は重要でしょう。
この点に一切触れられていないのであれば、変わりゆく大学受験に対し、何ら手を打とうとしていない可能性すらあります。
「今後こうなるから、こういう力をつけます」という部分を言っているか、という部分ですね。ただ、「今後こうなる」という部分に関しては、先行きが見えづらく、非常に予測が難しい部分もありますので、学校により多少見方が変わっても問題はないと思います。
3.アクティブラーニングをどの程度入れているか
今、時代は完全に“アクティブラーニング”の時代に入りつつあります。
教師が一方的に知識を与え続けるのではなく、生徒自らが問題意識を持って調べたり、時に共同して何かを作り上げることにより、学びを深めるという欧米型の学習法です。
これは授業をする方にも一定の技量と計画性が求められるので、二の足を踏んでいる高校も多いのが現実です。
ですが、変わりゆく大学受験に対応するためにも、また海外の大学を受ける力をつけるためにもその導入は不可避だと思われます。
4.英語の外部検定に力を入れているか
上の2とも関連しますが、日本のこれまでの英語教育の反省から、英語では「4技能」をしっかり鍛えよう、という方向性で文科省も動いています。
4技能とは「読む」「書く」「聞く」「話す」です。ただ、その4技能を大学受験のその日にだけでバランス良く検査することは非常に難しいことです。
そこで事前に受けていた英検やTOEICなどの英語の外部検定をそのまま大学受験の際の材料(加点対象)にするというのが今後の既定路線です。
すでにそのような流れは高校入試にも流れて来つつあります。(雲雀丘や報徳、履正社など近隣でも多いです)グローバル化への対応ということもあり、学校を挙げて英語の外部検定で上位の級やスコアをとらせる方向で動いている高校は、卒業時のことを考えるとやはり安心ではないでしょうか。
5.キャリア教育
これはおまけ編みたいなもので、この点をそこまで明確に言っている高校は少ないかと思います。
「AI(人工知能)登場で、現在の職業(職種)の大半は10年後にはなくなってしまう」などと言われています。
そのような観点から、「将来何がしたいのか」「自分にはどういう適性があるのか」という部分をこれまで以上に考えさせ、教育していくという分野です。
伊丹北高など総合学科の高校はこういったことに、以前から比較的熱心でした。
今後こういう分野は、爆発的にとはいかなくても、ジワジワ広がりを見せるのではないかと思いますし、力を入れてくる高校も多いのではないかと思います。