【検証】県立伊丹高校、伊丹北高校の定員増は楽観視できるのか?(2022年度入試)

塾長の岩田です。

さて!9月に今年の公立高校の定員も発表されました。今年は何といっても県立伊丹高校と伊丹北高校で「+40」があったことが大きな変更点でした。

そこだけを見ると、「やった!今年はラクになる!!」と思う人もいるかも知れないのですが、まず抑えておくべき事は、「中3人口自体が増えたから」という前提です。

 

2学区全体で、中3人口が43,100人(去年)→44,005人となり、905人増えています。

 

それに対応させる形で、県下で合計520名の定員増。2学区でも以下の高校で合計8クラス320名分の増員となりました。

中3人口(公立中)推移を近隣市町村ごとに見ていきます(去年→今年)。

・伊丹市:1633人→1652人(+19)
・尼崎市:3076人→3182人(+106)
・川西市:1247人→1300人(+53)
・宝塚市:1629人→2145人(+516) ※兵庫県「学校基本調査」より岩田が集計

相互的に流入・流出が多いこれらの4市合計で、中3人口は694人増えています。

表面的に見ると、「中3が694人増えたのに、定員は160しか増えていない」、ということになり、これだとなかなか大変なことになります。(今回、西宮は外しています)

ただ、694人増えたとは言え、その中で就職・専門学校・通信制・私立専願などで公立高校を受験しない生徒も多くでます。

中3人口に対して、どれだけの公立高校のワクが設けられているかを確認しておきます。去年の入試(令和3年度入試)では、兵庫県下トータルで

 中3人口(公立中)→43100人 
 全日制高校の定員 →21320人(中3人口の49.5%) 

となります。49.5%なので、均してみると意外と低い事が分かります。(令和2年度は49.9%)

今回、4市で増えた694人で換算すると、694人×49.5%≓344人

となり、近隣4市を抜き出して考えると、やはり結論、増えた分の十分な席は用意されているとは言えません。前提確認が長くなってしまったのですが、県立伊丹や伊丹北が増えたとは言っても、近隣だけの話で終わるということはありません。

県立伊丹であれば、川西や尼崎の伊丹寄りの子は多く受けますし、伊丹北であれば宝塚の生徒も多く受けます(川西も)。

特に今回、宝塚の中3人口増は500人以上!です。伊丹北希望がそれなりの数になり、それを見越して他高校に流れるかも知れません。

 

また尼崎は他市受験率(流出率)が非常に高い市なので、人口増になったとは言え、市内の高校での増員はありませんでした。非情ですね…。よって、市内の高校が高倍率化する事を見越して、伊丹に流れてくる層も例年より少し多めに見ておく必要もあります。

 

という感じで、県高や北高が定員増とは言え、楽観視はできないという数値を紹介しました。最終倍率は蓋を開けてみないと分からないのですが、「楽観視できる要素は、あまりない」「力を付けるしかない」と思って取り組んでいきましょう!

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この記事を書いた人

岩田英証のアバター 岩田英証 学習教室サクセス 塾長

生徒一人一人が安心できる居場所としての塾を目指しています。同時に、知的好奇心ややる気を刺激し、互いに高め合える環境を提供することで成長を支えたいと思います。この理念のもと、生徒さんの可能性を最大限に引き出す教室運営に日々努めています。

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