さてさて、この時期は特に大切となる過去問との向き合い方です。特に受験生はこれから過去問にまさしく当たっていくという時期です。できるだけ易しく書いていきますので、しっかり読んでおいてくださいね。大切な事を順に追って説明します。
決められた時間で解くべし!
その教科の指定された時間できちんと時間を計って解こう
これがめちゃくちゃ大事です。大切なので繰り返します。時間をちゃんと計って、決められた時間内でやりましょう。これが本当に大切です。もちろん、できなかった問題は時間を一旦区切ってそのあと、じっくり取り組めばいいです。
決められた時間内に自分の手が回っているのかを意識しましょう。一つの傾向として、英語・国語は「時間無制限一本勝負」というような昔のプロレス(笑)のような解き方だと、かけた時間の分だけ比例して点数は上がるものです。しかし、そんな解き方をしていては、当日の得点力は上がりにくいです。
時間を計ってやるからこそ、自分に足りないものが分かります。時間を意識するからこそ、例えば長文(英語・国語)を読む速度を自分にとって”最適化”できます。早すぎても精度が落ちる、遅すぎたら最後までいかない、そのちょうど良い落とし所を経験的に、自分の身に落とし込んでいくんです。そして「これぐらいかな」という速度感で訓練を繰り返し、その時の正答具合とも照らし合わせ、微調整をかけ続ける、これに尽きます。
理科や数学で計算を要する場合も同様です。計算は速すぎて問題が起こる場合もあります。それなりのミスを自分の中で許容しながら計算速度を上げている子もいます。ですが、不安になって検算をしたりすると、結果的に時間がかかり過ぎてしまうこともあります。
計算のやり直しをしなくても良い「確実に計算が合う自分にとっての最速」モードを意識して日々練習し、過去問にも当たっていきましょう。長文の例と同様、取り組みながら微調整・最適化を図る意識も大切です。
過去問は良問!自分の中に”取り込もう”
過去問は”すぐれた教材”として利用する視点を持とう
過去問を解くことが「ただの作業」になっていないか、ということです。もちろん問題構成や傾向を掴むことも必要ですが、問題傾向というのは時に無慈悲に変わってしまうことがあります。例えば高校入試で行くと、少し前まで尼崎稲園の推薦の問題は「歴史は出ない」ことが常識だった一定期間がありました。その際は僕らは「歴史は出ないぞ」とか平気で言っていましたが、ある年から普通に出題されるようになりました。そりゃそうですよね、一定の傾向が未来永劫続くなんてありえません。
あまりテクニカルな方向に走り過ぎて、一定の傾向や領域の問題だけをやるのはやはり危険です。次から兵庫県公立高校の国語の問題で、作文が出題される可能性だってあります(ちなみに兵庫以外の多くの都道府県では一定量の作文は頻出です)。
過去問は傾向を見るだけはなく、ひとつの「すぐれた教材」であるという見方も成り立ちます。過去問を解くことによって時間感覚を養い、また良い教材で勉強している、そういう感覚を持って下さい。
傾向を掴むため「だけ」にやるだなんて、時間がもったいない!入試問題というのは、多くのプロの目のチェックを幾重もくぐり抜けてきて、作成段階でああでもない、こうでもないと叩き上げられてきた良問です。それを解くことによって、自分の能力が自然と引き上がられていくはずなのです。ちゃんと取り組めば。とことん問題に”乗っかって”、丁寧に答え合わせをして、分からなかった問題は解説を熟読して身につけましょう!
そして、全く同じ問題は出ないかも知れないですが、似たような内容が問われたら自分は答えられるだろうか、ということを意識してほしいんです。せっかく時間をかけて取り組んだ問題。その問題からできるだけ多くのことを得なければ損します。この時間は何だったんだ、という話です。解いた過去問をできるかぎり”血肉化”していくことを目指しましょう。