伊丹市の高校受験専門の個別指導 学習教室サクセスの岩田です。
さて、兵庫県の公立高校の入試では出願後の「志願変更」というのが「1回」に限り認められています。
ただ、この制度を使う受験生が少なく、実体としてどうなっているのか知らない人は多いです。
今回はここにクローズアップし、近隣の学校に即して、どの様な使い方があるのか、
使っている人がどれぐらいいるかなど、紹介してみたいと思います。
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まずは、志願変更制度の確認です。
◆出願(2/22~2/26の12:00)後、1回のみ変更が可能である。
(変更受付期間:2月28日(水)~3月2日(金)の12:00)
◆志願変更が可能なケース4例
A:複数志願選抜を実施しない学校 →複数志願選抜を実施しない学校
B:複数志願選抜を実施する学校 →複数志願選抜を実施する学校
(第2志望のみをチェンジ)
C:複数志願選抜を実施する学校 →複数志願選抜を実施しない学校
D:複数志願選抜を実施しない学校 →複数志願選抜を実施する学校
◆志願変更ができないケース
複数志願選抜を実施する学校 → 複数志願選抜を実施する学校
例)第1希望を尼崎稲園→県立伊丹
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といった具合です。
志願変更をする、ということになれば、もちろん中学校を通さないとダメです。
こういうことがあると学校の先生は手間になりますので、あまり喜ばれない(?)事は確かです。
可能性があるのであれば、事前に先生に伝えておいた方がよいでしょうね。
志願選抜できる現実的なパターンとしては近隣高で例を挙げると、以下のようになります。
(例)
A:尼崎双星の商業学科→市立伊丹の商業科
B:第2希望を宝塚東→第2希望を川西明峰
C:第1希望を伊丹西、第2希望を川西明峰→尼崎工業
D:尼崎双星の電気情報科→武庫荘総合
疑問なのは、「この制度を使う人って、どれぐらいいるの?」ということです。では見てみましょう。
▼以下が、昨年の第2学区で志願変更があった数です。(「第1希望」として)
【表から】(第1志望における志願変更)
・志願変更者は「普通科の近隣」に関しては、県立尼崎、伊丹西で各2人の「離脱」が出ただけ。全体でも、普通科で変更した人は、7925人中、6人。割合にして「0.07%」。非常に少数であると言える。
→普通科・総合学科においては大きな動きは見られなかった
・公立中上位高出願者は機械科などに進むケースは非常にレアで、「変更先」があまりない(例としては1.44倍にもふくれあがった尼崎双星でも変更ゼロ)
・倍率が高くなった工業科からの離脱も一定数いる(去年の尼崎工業の電子科で「15」の離脱があった)
▼そして以下が「第2希望」の志願変更数です。
【表から】(第2志望における志願変更)
・第2志望の志願変更者は、例えば尼崎西では「-13」、川西明峰では「+7」などそれなりに動きは認められる。
・尼崎西では第1希望での倍率が1.29となり「-13」に繋がった。西宮南(去年は+10)でもそうだが、第1希望での倍率を見て、第2を替えてくる層が一定数いる。
■まとめ&有効策
やはり、時間をかけて決めた「第1志望」です。
それほど多く動くわけではありません。比較的動きのある第2希望もそういう傾向は見て取れます。
(1)商業どうしでの変更(市立伊丹高と尼崎双星で)
→これは良くある話です。市立伊丹が多くて尼崎双星が少なければ乗り換え、というパターンです。過去にも数名いました。
(2)商業・工業から普通科(川西明峰・宝塚東など)への変更 (公立に入ること優先ならば)
→近年、近隣の商業科や工業科の倍率が高くなっています。そこで高倍率・高カットラインになり勝算が薄ければ、比較的平易な公立に回るという手段です。
今年であれば、11月の志望高調査を考えると、川西明峰・宝塚東が移り先として使えそうです。
(3)普通科から倍率の低くなった工業科や商業に変更
→一般的には、他地域ではこのやり方をとる受験生はもっといてもよいのですが、2学区(近隣)の場合、尼崎工業・尼崎双星の工業・商業が人気なので、現状では得策ではないかも知れません。
(4)安全策としての第2希望の調整(尼崎西→川西明峰/尼崎西→宝塚東)
→今年の尼崎西は11月の希望数が299人。これは昨年の同時期の「+1人」です。昨年倍率が1.23と比較的高かったことを考えると、尼崎西第2希望は明峰などと比べ、やや機能しにくくなることは予想されます。
もちろん出願状況を見てからですが、地理的に許されるなら、明峰・宝塚東などにしておくのが無難です。