伊丹市の高校受験専門の個別指導 学習教室サクセスの岩田です。
よく聞かれる質問です。
結論から言いますと、これは「YES」という塾がほとんどです。
“大学生であっても給料をもらってやっている以上プロだから”という理屈で、「すべてプロ講師が担当します」などと、お茶を濁している個別塾もあります。
業界内での実情をお伝えしますと、よくチラシが入っている全国チェーン的な個別塾ではほぼ9割が大学生の講師です。残り1割ぐらいがパートの主婦の方や、正社員が担当するケースもあるかと思います。
個別指導の塾はその特性上、授業そのものにかかる「工数」(作業人数×作業時間)が非常に多く発生します。
集団指導であれば、例えば1時間の授業であれば、30人受けた授業提供側の工数は基本的には「1」です。(1人×1時間)
ですが、個別指導の場合30人受けた場合、1:3の指導であれば少なくとも10名の講師が必要となり、工数は「10倍」以上が必要です。(10人×1時間)
学習塾も1つの企業です。社会構造上、年々社会保険料や人件費は上がり続けます。それに耐えうるだけの体勢をとろうと思うと、大学生(=非常勤という立場)に担当させることにより、人件費を可能な限り圧縮し存続可能な教室運営をしています。ここは致し方ありません。
また授業自体が、ほぼ夜の3~4時間に集中しますので、パートタイム勤務の方が適しています。
ですので、繰り返しとなりますが、この問いに関しては、個別指導であれば「YES」(=「ほぼどこでもそうです」)という回答になります。
当塾では、プロの社員が担当するケースが比較的多いのですが、やはり若い現役の大学生が担当するというのを基本スタンスにしています。
ただ、その場合現役の大学生が担当するから「こそ」の利点をその塾が活かせるかが大切です。現役の大学生が授業を担当した場合、以下のようなメリットがあります。(こういうメリットがないのなら、講師の性格・力量に問題があります)
(1)質問しやすい
年令も近いし、とっつきやすい。学校のいわゆる“ベテラン先生”に恥ずかしくて聞けなかった部分を遠慮なく聞ける。「分からない」と正直に言える。
(2)やる気が出る
憧れのカッコイイお兄ちゃん、お姉ちゃんのようなな存在の講師から褒めて らえたり、励まされたりするとやはりやる気が出る。
この2点は、若い“学生講師がやった方が良い”とすら思える部分でもあります。
ただ、以下のようなデメリットも否定できません。
(3)教え方に専門性がない
キャリアが短い分、効果的な教え方をする上での引き出しが少ない。
(4)厳しく言えず、生徒に迎合的になる
生徒との関係が悪くなると、その時間が苦痛になる。よって、それを回避す るために、自然と生徒に迎合的になってしまう。
この点に対しては、以下のような手を打つ必要があります。
・塾が教え方・接し方に関して、学生講師への教育訓練の場を設定している
・直接の担当だけに任せるのではなく、厳しい目をもった人間(塾長・教室長など)も副 担当のような形で接する。
要は「学生講師のデメリットを塾が認識しているか」、少なくとも、それを意識した仕組みを入れているか、という点が大切だと思います。(=メリットばかりを言う塾がほとんどです)